日々とウシ。かたてま投資備忘録

かたてま投資の備忘録。

埼玉の奥地に沢登り行ってきました。

暑い陽光照りつける

炎天下の都会を離れ

木漏れ日に変わった日差しのもと

水の流れる音としぶきにまみれ

苔むした岩を手がかりに

ひざ下をあらう、沢の中を進む…。

 

最高です。

 

というわけで

ずいぶん日の暖かさも感じられるようになった4月の中ごろ

 

勢いのままに道具(濡れてもいい靴とスパッツ)を揃え

勢いのままにノープランで埼玉の奥地で沢登りしてきました。

 

…株は?

 

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 出発

こんな思いつきの酔狂に付き合ってくれる友達はおりませんので

独りです。

好都合です。

遠出するから早起きするぞ!という人間ではありませんので

起床は9時。到着するともう12時も回っていました。

 

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こんな場所。

実は以前なんの装備も持たずに来たところで、

その際は靴のつま先がちょこっと濡れたので帰りました。

だって11月で冷たかったんだもん。

 

今回はそのリベンジです!

 

沢で釣ったヤマメを焚き火で炙って喰うというのが私の夢ですので、釣具と焚き火の道具のみ持参。

ある程度登って日帰りします。

さぁ、出発です。

 

 

 道中

 おそるおそる最初の一歩を沢の中に踏み出す。

「もぉぉお。ああぁぁぁ…。」

快感です。

私の新調したギアが水を軽快にかき分けて行きます…!

いや染みてます。(正常です)

 

 

やっぱり装備ちゃんとすると気持ちが違いますね。

なんと”うぇっとげぇたぁ”なるものまで買っていました。

 

形から入るほうです。

ちなみにAmazonで中古で半額で買えました。

Amazonって中古買えるんですね。

ぶかぶかでしたが。(靴下で調整)

 

じゃぶじゃぶ濡れながら沢を登るのが沢登りです。

でも4月の水はまだ冷たかったです。

相当暖かい日を選んでいったのですが。

 

時折竿から釣り針を垂らしてみますが釣れません。

当然ですね。

エサもついてない釣り針のみを垂らしているのですから。

 

山奥に向かって進むとだんだん岩がちになってきます。

自分の背丈も超えるような大きな岩です。

 

 

さすがに泳ぐ勇気はないので、考えます。

 

どうやって越えようか?

右から?左から?

いやよじ登るしかないのか?

 

考えながら、体を動かして、岩に手をかけ足をかけ

顔にかかる水しぶきが気持ちいです。

 

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ある程度行くと開けた河原が続きます。

ここは軽快にじゃぶじゃぶと進みます。

 

するとまた大きな岩がひょっこりと顔を出し始めます。

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沢にもリズムがあるんですね。

ここまで誰に会うこともなく、自分は自然の真っ只中にいます。

孤独が楽しいです。

 

楽しいです。

 

楽しいままに進んでいたら、いつの間にか16時を回っていました。

もう帰る時間です。

帰らないと遭難してしまいます。

 

ですが楽しいときって無敵なんですよね。

ちょうど目の前には適度に開けた河原がありました。

僕はこう考えていました。

 

「これは沢の神様が用意してくださった最高のキャンプ場に違いない。

 幸い今日は暖かいし、雨の予報もない。」

 

僕はすでに日が山陰に沈もうとしている、早い沢の夕刻のなか

キャンプの準備を始めていました。

 

 

 キャンプ

早々にキャンプの準備を終えた僕は

岩場の上に立ち釣りに興じていました。

思えばこの日一度も魚影を見ていません。

というか僕は釣り針を垂らしたことはあれど、魚を釣ったことはありません。

ただ釣り竿を構えて、沢に佇む。

その姿に憧れるのです。

 

でもそれもいささか飽きましたね。

次はちゃんと釣るための知識も仕入れてきましょう。

 

だいぶ暗くなってきました。

こうなってきたらやはりあれですね。

 

焚き火ですね。

 

沢登りの醍醐味はやはり焚き火でしょう。

通常のキャンプ場では焚き火不可のところが多いですからね。

ですが焚き火を終えたらちゃんと後始末をして、自然のままに戻すようにしましょうね。

 

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誰もいない大自然のど真ん中

沢の流れる音をBGMに

一人コニャックを片手に

釣ってきた魚を焚き火にかざして

ゆっくりとその身が焼き上がって行く様子を眺めくつろぐ。

 

僕はお酒は飲めないし、魚も釣れませんけど。

そもそもまともに火を起こすのが大変です。

 

理想へ至る道中の道のりは長く暗く地味でめんどくさい。

これは株も仕事も趣味でさえ、一緒なのでしょうね。

僕の場合はですが。

 

なんとか火を起こしてほっとする間もなく、

ついに太陽が地平線に落ちたのか、一気に暗くなってきました。

 

 

 夜がきた

もともと日帰りのつもりでしたから、当然テントもなければ寝袋もありません。

でもこのときはまだ安心していました。

寒さは感じませんでしたし、これからご飯を炊くという大事なイベントがありましたから。

 

 

今回ご飯は奇跡的に上手に炊けました。

前回の鍋の底に炭化した黒いモノ大自然の恵みに感謝して腹いっぱい食べるという苦渋を経て、画期的なやり方を考えていたからです。

焚き火で何か調理しようとしているなら、大事なのは火加減の調整方法です!

 

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おかずは釣った魚を考えていましたが、

ボウズだったので塩です。

はしは持ってくるの忘れたので小枝です。

美味しいです。

 

 

腹もふくれて辺りを眺めると真っ暗です。

ここで初めて恐怖を感じました。

 

なんと自分はヘッドライトも持たず、明かりは焚き火とマッチと携帯電話のライトしかなかったからです。

 

昼間の自分を恨みました。

 

暗闇というのは人間の根っこのところに恐怖を投げかけてきます。

きっと僕らのご先祖様が洞窟で焚き火の明かりで暮らしていたときからそうなのでしょう。

ましてや一人なので、なおさらです。

 

とにかくぼーっと焚き火を眺めて恐怖から気を反らして過ごします。

そして体を動かさなくなると急に寒いです。

4月の夜は埼玉でも普通に寒いです。

近くの落ち葉をかき集めて寝床にします。

焚き火に寄り添うようにして横になります。

 

まさに焚き火が僕のライフラインになってきました。

これが消えたら死にます。

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明日の朝を迎えるまでの時間との戦いが始まりました。

 

 

 無事死亡

怖いです。

寒いです。

でも眠くなってきました。

 

これはチャンスです!

明日目覚めない可能性もありますが、

夢の世界に飛び込めば一気に時間を稼ぐことが出来ます。

上手く行けば日の光が見れるでしょう。

 

…。

どれくらいたったのか寒さで目が覚めました。

時計を見て

「まだ10時…」

まだ少なくとも日が昇るまで7時間はあります。

見ると焚き火は燃え尽きかかっていました。

 

仕方なく真っ暗闇の谷を薪を探して歩きはじめます。

明かりは手元のちっぽけなスマホのライトのみ。

もしこれを見かけた人がいたならば、谷をさまよう幽鬼でしょう。

集めた薪を熾火となった火床にかざして、再び炎を起こします。

 

 

感謝…圧倒気感謝!

文明に対する畏敬の念が湧いてきました。

 

これを繰り返すこと5,6回なんとか周囲が明るくなってきました。

途中の記憶はおぼろげですが、忘れることはないでしょう。

 

結局ほぼ一睡も出来ずに過ごすことになりました。

重い体を引きずってキャンプの後片付けをし、

昨日来た道を引き返す準備をします。

 

疲れてはいますが、なんとかこの夜を乗り切った充実感で溢れています。

 

 さて

息も絶え絶えになんとか車まで戻ってくると

こんな誰も来ない山奥に車が登ってきました。

「釣りですか?」

「はい?」

 

「遊漁券。3000円になります。」

 

漁協のおっちゃんでした。

沢登りのついでに釣りする人はちゃんとその川が各地域の漁協の管轄か調べてから行きましょうね。

近所のコンビニ売ってるそうで、事前に買えば安いです。

 

もちろん僕は

釣り針を垂らしたのが数回で

一匹も魚の気配すら感じませんでしたが

払いました。

死んだ魚の目で。

 

 

ちなみに今回僕はノープランでキャンプしましたが、

沢登りは命に関わることもある危険なスポーツです。

通信機器は基本使えないですし、急な増水や、沢からの転落による骨折など多くの危険があります。一人では行かないようにしましょう。

今回僕が行った場所は簡単な沢ですし、週間天気も雨の予報がないことを確認しています。

皆様も沢に出かける際には十分注意しておでかけください。

 

でも沢は楽しいよ~。

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